2024.07.20 『ファイナル・インパクト』 2022
MIRA FIREFALL
監督ドミトリー・キセレフ
宇宙から地球に隕石などが降り注ぐSFパニックサスペンスは多数あるが、本作はロシアのウラジオストクにいる少女と同国の宇宙ステーションで働くその父親の両者が、ほぼ同じタイミングに流星群に襲われながら互いに交流し合って生存を目指す、父娘のドラマでもあるのがエモーショナル。ハリウッドの娯楽大作を意識したような作りで、流星群が巻き起こすパニックを迫力たっぷりに描きつつ、父娘と娘の幼い弟が繰り広げるサバイバルをスリリングに綴っていて最後まで目を離せなくなる。ーーwowow.co.jpより
ノーランの 『インターステラー』 から、かなりインスパイアされた模様ではあるが。
原タイトルの「MIRA」は、人工知能の名前だ。
隕石襲来で廃墟になるのは、東海岸部のウラジオストック。日本列島は津波にも襲われ、「全滅(?)」というテロップも、ついでのように流れる。
ハリウッド大作を凌駕するレベルは、このように、ロシアからも、インドからも、韓国からも出現してくる。
しかし、結末はーー。
ロシア的なヒーローの自己犠牲をせつせつと謳いあげる。『インターステラー』のタイムワープを応用した破格のハッピーエンドとは、まったく対照的。こちらも、家族の新しい結束、というメデタシメデタシで終わっているけれど、それを可能にしたのは、娘を救うためにステーションからの脱出を断念する「父親」の自己犠牲だった。