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不思議の国御魯西亜奇譚集

ニキータ・クリーヒン&レオニード・メナケル『鬼戦車T-34』

2023.02.11 ニキータ・クリーヒン&レオニード・メナケル『鬼戦車T-34』 1964 ZHAVORONOK
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 第二次世界大戦中の1942年、ドイツ東部にあるナチスの捕虜収容所では、捕らえられていた連合軍の捕虜たちが新型砲弾の射撃訓練の標的にされていた。それは、砲弾の入っていない戦車T-34に捕虜たちを乗せて一斉砲撃するというものであった。
 ある日、捕虜となっていたソ連軍の戦車操縦士のイワンは、ピョートル、アリョーシャ、フランス兵と共に次なる標的に選ばれる。だが彼らは砲撃を見事にかわし、煙を出してやられたふりをして、戦車T-34を操縦して脱走する。
 彼らの乗った戦車T-34は一路東へ向けてひた走るが、ドイツ軍側は追手を差し向け、彼らは次第に追い詰められていく。ーーWikipediaより
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 実話に基づいた戦争映画。
 同じ題材の超大作が、2019年の『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』
 脱走した戦車と捕虜に面目をつぶされたナチス将校との対決をメインにする。
 数十年を経て、戦争映画の技術的・技法的進歩のめざましさ。
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 それ以上に、ソ連時代のモノクロ作品と現代の娯楽作との隔絶は大きい。『鬼戦車T-34』では、戦争は過去のものとして対象化される。しかし、俳優たちは栄養不良みたいな貧弱な肉体をさらす(これは戦争捕虜にふさわしいのだけれど)。そして祖国のために戦った行動を讃えられる。
 一方の『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』の兵士たちは、現代の戦争をフィクションに託して演じているかのようだ。2302bl.png

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テーマの著者 Anders Norén