2024.07.03 『フューリー・ロード』 2022
ODNAZHDY V PUSTYNE ONCE IN THE DESERT
世界遺産に登録されているシリアのパルミラ遺跡。しかし、IS[イスラム国]によって制圧され、多くの史跡が破壊された。その後、ロシア軍が支援するシリア政府軍が奪還に成功するが、その傷跡は深くISによって付近に多数の地雷が埋められていた。爆弾処理のエキスパートであるロシア軍大尉シャビョロフは、都市ホムスからパルミラへ続く街道で地雷除去の指揮を執っていた。しかし、ミスを犯し地雷が爆発。多くの部下を失い、シャビョロフ自身も深手を負う。上部からは帰国の命が下るが、自らの信念と部下たちの無念を晴らすため、一兵士として再び地雷原での任務を志願する―。ーーalbatros-film.comより
監督アンドレイ・クラフチューク
このロシア戦争映画のキーワードは自己犠牲だ。日本人のハラキリと似通った精神だ。それが戦争と結びつけばーーその行き着く「THE END」は決まっている。
爆弾処理の専門工作員のドラマは、ロシア製にもかかわらず、陰翳深くこしらえてある。現地女との束の間の恋の顛末もふくめて、「戦争の不条理」への抗議を聞き取ることが出来ないではない。それでも、結末は、こうなってしまう。
プーチン独裁体制確立後、量産されつづける「戦争映画」のなかでも輝く佳作なのだが……。