2023.06.28 アレクサンドル・ブラフスキー『レニングラード 900日の大包囲戦』 2009 LENINGRAD
第2次大戦中、ドイツは、当時旧ソ連第2の都市レニングラード(現サンクトペテルブルク)を攻略するにあたって、その周囲を包囲して食糧や弾薬の補給路を断つ作戦を断行。両軍の攻防戦は約900日に及び、その間市民は、敵軍の攻撃に加えて厳しい寒さと飢餓との闘いにも直面することとなった。その実話をベースに、空襲に遭ってはからずも同地に取り残されるはめとなった外国人女性記者の生死を懸けた熾烈なサバイバル劇。 ーーWOWOWより
大包囲戦を背景に、個人ドラマをかなり過剰につめこんだ巨編。
レニングラードに取り残されたイギリス人記者(ミラ・ソルヴィノ)は公式には「死亡」あつかいとなる。彼女の父親は元白軍の将軍だった。恋人(ガブリエル・バーン)がその事実を知らされるのは、ずっと後のこと。出自を隠して、報道の名目で、祖国にもどったのだ。ーーそのあたり、どうも展開がうまくない。
一方で、彼女を助けた民兵ニーナ(オルガ・ストゥローヴァ)とその家族との交情もドラマのメインとなる。イギリス&ロシア合作の事情なのか、盛り沢山な要素を詰めこめるだけ詰めこんだ。冒頭の、貧弱な武器でドイツ戦車隊に突撃していくソ連兵の人海戦術の物凄さは、ロシア愛国好戦映画の典型。これは、幸いにして、冒頭のみで転調する。
史実が頭にはいっていないと、理解しにくい細部が多い。
2023-06-30