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不思議の国御魯西亜奇譚集

『ザ・ライフルマン 地獄の最前線』ラトビア映画

2023.01.30 ジンタルス・ドライベルグス『ザ・ライフルマン 地獄の最前線』 2019
DVESELU PUTENIS  ラトビア
 戦争に翻弄されるラトビア人少年の運命と生き様を史実小説を基に描き、ラトビアで歴代興行収入第1位を記録した戦争アクション。1913年、少年アルトゥルスはラトビアに侵攻してきたドイツ兵に母親を殺されてしまう。やがて16歳になったアルトゥルスは憎しみを胸に、父親とともに兵役に志願。第1次世界大戦が始まると、訓練を受けたアルトゥルスは狙撃部隊に配属されるが……。ーー映画.comより
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 原作は、アレクサンドルス・グリーンス『吹き荒れる魂』。戦後、ソ連によって粛清された。
 1915年の対ドイツ戦から17年にはじまる内戦状況へ。ライフル狙撃部隊に配属された少年を翻弄する「戦争のブリザード」。
 敵が毒ガス攻撃を仕掛けるドイツ軍である前半はわかりやすい。ツァーリ体制がボルシェヴィキ革命によって転覆される後半は、かなりの予備知識なしには目まぐるしすぎるだろう。救国の英雄が「革命の敵」として処刑される状況ーー。
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 テーマは「祖国防衛」に一元化されるほかない。
 タイトルはアメリカ西部劇にならっている。主人公の父親は、狙撃したドイツ兵の数を銃床にきざむスナイパーだった。その数は56。
 映画のラストは、ソ連が原作を抹殺したことに正面から抗議する。
 ウクライナ侵攻前夜。
 旧ソ連圏からこうした戦争映画が発信されることに危機感は重い。
 反ロシア戦争映画。だが、その基調は、あまりにも他のロシア戦争映画と同質なのだ。雪原のなかに累々と果てしなく折り重なる死者たちのムクロ。おびただしい死者の群れ。それだけが遺された風景なのだ。
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テーマの著者 Anders Norén