2023.01.04 アスカル・ウザバエフ『カザフスタン・ソルジャーズ』 2020
KAZBAT
カザフスタン軍に入隊した、新兵のアザマットたち。厳しい訓練の後、彼らは平和維持大隊“カズバット”に志願する。任務は、タジキスタン・アフガニスタン国境の警備。その山岳地帯は国際紛争に加え、麻薬の密輸ルートで、武装勢力との戦闘が続く危険な最前線だった。極限の緊張感に満ちた日々。兵士たちの神経は消耗してゆく。そして1995年4月7日、アザマットたちの第7中隊はプシハブル渓谷で敵の待ち伏せ攻撃に遭遇。激戦の果て、部隊は全滅の危機に陥るが……。ーーalbatros-film.comより
平和維持大隊による「戦争」の記録。敵のすがたは描かれず、ゲリラとも麻薬組織とも区別のつかない無法者だ。
軍人たち、若者たちは、ただ祖国のためにを第一義として戦う。
何のための戦争かーーという問いはこの映画には100%ない。
ただ「一人は全体のため、全体は一人のため」に、命を犠牲にする戦士たちが崇められるのみ。
祖国のためにの次には、家族・愛する者のためにがくる。この側面のドラマは、しっかりつくられているんだが……。
ロシア式国策戦争映画の独立国家共同体(CIS)カザフスタン版。
社会主義リアリズム路線がいつしか帝国主義侵略路線に変容した「現在」をなまなましく反映している。
2023-01-05