2022.12.10 アレクサンドル・コット『ブレスト要塞大攻防戦』2010
BRESTSKAYA KREPOST
ベラルーシ、ロシア合作
1941年に起きたドイツとソ連による“ブレスト要塞戦”を描いた戦争アクション。ドイツ軍はソ連に対し奇襲攻撃“バルバロッサ作戦”を発動、数百万のドイツ軍がソ連領内へ侵攻し独ソ戦が勃発した。第二次世界大戦史上、もっとも過酷な要塞戦といわれた戦いの姿が綴られる。撮影には数トンの火薬だけでなく、実兵器も使用され、圧倒的なスケールとリアリティを演出している。ーー〈allcinema〉onlineより
ブレストは現ベラルーシ。ロシア&ベラルーシによる国策映画の一作。
実戦の迫力を「魅せる」路線だ。
ロシア製戦争アクションのもう一つの「紋章」は人海戦術の華々しいリアリティである。人間がめったやたらに殺される。戦争映画だから当たり前といったレベルをはるかに超えて、人命が損壊されていく場面が連続する。
この作品にも、要塞の一出口から脱出しようとする民間人をドイツ軍が機銃で皆殺しにするシーンがある。死骸は折り重なって、みる間に山をなし、背丈をこえる「人間の壁」をつくり、ゲートをふさいでしまう。周りには地面を覆いつくす死骸が散乱するなか、うず高い死骸の丘が、何かのモニュメントのように「建立」されるのだ。
たとえ何百万人の犠牲をはらおうと「大祖国戦争」の勝利は歴史的栄光であるーー。
というスターリン的信念がいまだに生きているらしい。
その事実を国策映画の数かずが勇猛に発信している。
2022-12-13