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不思議の国御魯西亜奇譚集

『スターリングラード大進撃 ヒトラーの蒼き野望』

2022.11.26 セルゲイ・ポポフ『スターリングラード大進撃 ヒトラーの蒼き野望』 2015
DOROGA NA BERLIN  ROAD TO BERLIN
 第2次世界大戦中の1942年、ナチス・ドイツ軍がロシア南部に猛攻を仕掛けた「ブラウ作戦」を背景に、若きソ連軍将校の闘いを描いたロシア製戦争アクション。スターリングラードを目指すドイツ軍との戦いで劣勢に立たされたソ連軍は、参謀本部に攻撃の再編を求める伝令を、若き将校オルガコフに託す。しかし予想を上回るドイツ軍の猛攻によってオルガコフは任務を果たすことができず、部隊は壊滅状態に陥ってしまう。参謀本部はその全責任をオルガコフに負わせて銃殺刑を言い渡し、独房に収容。ドイツ軍の攻撃が日ごとに激しさを増していく中、ついに参謀本部も戦場と化したため、オルガコフは脱出を図ろうとするが……。ーー映画.comより
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 といった話を入口にして、オルガコフとその衛兵を命じられた愚鈍な兵士ズラバエフとの、二人の「友情」物語となっている。
 ルノワールの『大いなる幻影』の型にはまるドラマだ。二人が脱走兵ではなく、戦線からはぐれてしまった兵士と囚人であるところが独自だ。
 混乱する前線を突破して本部に向かう二人。友軍と合流し、ドイツとの戦闘でオルガコフは武勲を立てる。ズラバエフは、あくまで本部に彼を「連行」し、刑執行の決済をゆだねようとするが。その結末は……。
 ロシア式「さらば友よ」である。
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 スターリングラードの激戦は、ほとんど作品外の背景となる。何故このタイトルにしたのか、それはそれで興味深い事柄だが、いささか戸惑う。
 後半の、非戦闘員とのエピソードが、ボンタルチュクの『バトル・フォー・スターリングラード』の一部を連想させるところがある。ーー戦争未亡人と兵士との束の間の交情。これも『大いなる幻影』の型に添ったものだが。
 それが、ロシア戦争映画には何でもかんでも「スターリングラード」を冠してしまえばいいといった営業政策に納得する理由になるのかどうか。
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 アミール・アブディカロフasズラバエフ
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