2022.11.15 アレクセイ・ゲルマン・Jr 『宇宙飛行士の医者』 2008
BUMAZHNYY SOLDAT
1961年、カザフスタン。医師ダニエルは、ソ連初の宇宙飛行計画に宇宙飛行士たちの健康管理責任者として従事する。しかし、国家の発展のために若者たちの命が犠牲になることが納得できずにいたある日、ついに士官の1人が死に、ダニエルは心身を消耗して神経衰弱に陥ってしまう。2008年・第65回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞。監督は「フルスタリョフ、車を!!」(98)で知られるアレクセイ・ゲルマン監督の息子、アレクセイ・ゲルマン・Jr.。ーー映画.comより
冷戦期のさなか。「宇宙戦争」に乗り出したソ連国家。その基地は信じられないほど荒廃した荒野の泥沼のような土地にあった。打ち上げられるロケットの後景に犠牲に供される「人民たち」の群舞が……。日常の物資は不足し、スターリンの恐怖は彼の死後八年経っても癒やされることがない。
いずれにしても、今日、ロシア映画を観ることの「苦役」は、どうにも耐えがたいものがある。と感じさせる一本の追加だった。
2022-11-17