ヴァシャノヴィチ『リフレクション』

2022.11.08　『リフレクション』 2021　VIDBLYSK
　
　ウクライナの俊英ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督が「アトランティス」に続いて撮り上げた戦争ドラマ。2014年のロシアによるクリミア侵攻に始まるウクライナ東部の戦争を背景に、前線で捕虜となり壮絶な拷問を受けた外科医の男が、平穏な時が流れる首都キーウに帰還して娘と日常を過ごしながらも、戦地で経験した悪夢が癒えることのない心の傷となって重くのしかかってくる苦悩の日々を静かに見つめる。〈allcinema〉onlineより

　『アトランティス』と一つながりの作品世界。
　二時間の映画が、二十数カットの長回しシーンかから構成される方法も同じだ。
　背景は、2014年の「開戦時」。「過去」の話になっているけれど、2022年2月以降の「現在」の投影と観ないで済ませることは難しい。「軍事侵攻作戦」が蛮行されるより、はるか以前に「事実として」戦争は起こっていたーーというウクライナ側からの現状認識がここにある。