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不思議の国御魯西亜奇譚集

アンドレイ・ズビャギンツェフ『ラブレス』

2022.10.28 アンドレイ・ズビャギンツェフ『ラブレス』2017 NELYUBOV
共同脚本 オレグ・ネギン
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 「父、帰る」「裁かれるは善人のみ」のロシアの鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフ監督による2017年のカンヌ国際映画祭審査員賞受賞作。離婚が決まり、一人息子を互いに押しつけ合う身勝手な夫婦を主人公に、その息子の失踪という事態に直面した夫婦の姿を冷徹な眼差しで描き出す。主演は長編映画初出演のマリヤーナ・スピヴァクと「エレナの惑い」のアレクセイ・ロズィン。
 一流企業で働くボリスと美容サロンを経営するジェーニャは離婚協議中の夫婦。言い争いが絶えず、目下の問題はどちらが12歳の息子アレクセイを引き取るかということ。2人ともすでに恋人がいて、新しい生活をスタートさせる上でアレクセイはお荷物でしかなかった。そんな中、学校からの連絡でようやくアレクセイが行方不明になっていることに気がつくボリスとジェーニャだったが…。〈allcinema〉onlineより
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 ズビャギンツェフ作品では「定型」となった未解決のままの家族崩壊ドラマ。
 今回は、現実世界への暗喩がいっそう不穏だ。
 子供は行方不明のまま。「邪魔者」がいなくなった両親は、それぞれの新生活にーー。
 結末に、ラジオから流れるウクライナ東部内戦のニュース。それをバックにして、母親は「RUSSIA」の赤いロゴ鮮やかなジャージを着て、ウォーキング・マシーンを駆る……。
 2017年の作品だ。
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